営業代行で情報漏えいを防ぐには?契約前に確認すべき管理体制と5つの対策
営業代行を検討しているものの、
「顧客情報を外部の会社に渡して大丈夫なのか」
「営業リストや担当者情報が漏れたらどうしよう」
「価格表や提案資料を競合に見られる可能性はないのか」
「営業代行会社が別の会社へ再委託していたら不安」
このように感じている経営者や営業責任者は少なくありません。
営業代行では、新規開拓を進めるために、
・企業名
・担当者名
・電話番号
・メールアドレス
・顧客リスト
・過去の商談履歴
・商品価格
・提案資料
・営業トーク
・取引条件
など、さまざまな情報を外部の営業代行会社と共有することがあります。
もしこれらの情報が適切に管理されていなければ、単なる営業上の失敗では済みません。
顧客からの信用低下や取引先との関係悪化など、会社そのものの信用に影響する可能性があります。
だからこそ、営業代行会社を選ぶ際には、
「何件アポイントを取れるか」だけでなく、「大切な情報をどのように守っているか」
を確認することが重要です。
この記事では、「営業代行で情報漏えいが心配」という企業向けに、情報漏えいが起こる主な原因と、営業代行会社を選ぶ際に確認しておきたい管理体制を分かりやすく解説します。
営業代行で情報漏えいが心配される理由
営業代行では、自社の営業活動の一部を外部企業へ任せます。
そのため、社内だけで管理していた情報を外部担当者が扱うことになります。
例えば営業担当者が自社社員であれば、
社内パソコン
社内システム
社内ネットワーク
など、一定のルールの中で情報を管理できます。
しかし営業代行の場合、
「誰が情報を見るのか」
「どの端末を使うのか」
「どこにデータを保存するのか」
が自社から見えにくくなることがあります。
つまり問題は、
営業代行を利用すること自体ではなく、情報の管理方法が見えないまま委託すること
です。
営業代行で扱う情報には重要なものが多い
営業代行会社へ渡す情報には、企業にとって重要なものが含まれています。
顧客・見込み客情報
例えば、
会社名
担当者名
役職
電話番号
メールアドレス
商談履歴
などです。
これらは営業活動を進めるうえで重要な情報です。
商品やサービスの内部情報
営業担当者が適切に説明するために、
・料金体系
・値引き条件
・販売戦略
・競合との差別化
・今後のサービス展開
などを共有する場合もあります。
営業ノウハウ
営業トークや顧客への提案方法も、会社にとって重要な営業資産です。
そのため、
「顧客情報だけ守ればいい」
というわけではありません。
何を営業代行会社へ共有するのか、一度整理しておくことが大切です。
営業代行で情報漏えいが起こる5つの原因
1.情報へのアクセス権限が広すぎる
営業担当者に必要以上の情報を渡すと、情報漏えいリスクは高まります。
例えば新規開拓を担当する営業代行スタッフに、
既存顧客すべての契約内容
まで見せる必要はない場合があります。
改善ポイント
営業活動に必要な情報だけを共有しましょう。
「必要な人が、必要な情報だけを見る」
という考え方が重要です。
2.個人端末や私物パソコンを利用している
営業代行会社によっては、営業担当者がどのような端末を使っているのか分かりにくい場合があります。
例えば、
個人のパソコン
個人スマートフォン
個人のクラウドストレージ
などに営業情報が保存されていると、端末紛失やアカウント管理の不備によるリスクが高まります。
確認したいこと
・業務用端末を使用しているか
・端末にパスワード設定があるか
・データを端末へ保存するのか
・退職者のアクセスを停止できるか
などを確認しておくとよいでしょう。
3.営業データの保存場所が分からない
顧客リストを、
メール添付
USBメモリ
共有ドライブ
個人のクラウドサービス
などでやり取りしているケースもあります。
どこに情報が保存されているのか分からなければ、契約終了後に情報を完全に削除できたのか確認することも難しくなります。
対策
契約前に、
「営業データはどこで管理しますか?」
と聞いてみましょう。
営業代行会社が使用するシステムや情報管理方法を説明できるかどうかは重要な判断材料です。
4.再委託先まで情報が渡っている
営業代行会社へ依頼したつもりでも、実際の営業活動を別会社や外部スタッフへ再委託している場合があります。
再委託そのものが必ず問題というわけではありません。
しかし、
依頼企業
↓
営業代行会社
↓
再委託先
↓
さらに外部スタッフ
と情報を扱う人が増えれば、それだけ管理範囲も広がります。
契約前に確認したいこと
・再委託はあるか
・誰が実際に営業するのか
・再委託先にも秘密保持義務があるか
・自社情報がどこまで共有されるのか
を確認しましょう。
5.契約終了後もデータが残っている
営業代行契約が終了しても、
営業リスト
顧客情報
商談履歴
提案資料
などが営業代行会社側に残っている場合があります。
そのため、契約終了時には、
「データをどうするのか」
まで決めておく必要があります。
例えば、
返却する
削除する
一定期間後に削除する
などです。
営業代行の情報漏えいを防ぐ5つの対策
1.秘密保持契約を締結する
営業代行会社へ重要な情報を共有する前に確認したいのが秘密保持に関する取さり決めです。
一般的には、
「業務上知った情報を第三者へ漏らさない」
「目的外で利用しない」
といった内容を契約上明確にします。
ただし、
秘密保持契約を結べば絶対に安全というわけではありません。
契約書だけでなく、実際の運用方法まで確認することが重要です。
2.情報へのアクセス権限を限定する
すべての営業担当者が、すべてのデータを見る必要はありません。
例えば、
担当企業だけ閲覧可能
顧客リストだけ閲覧可能
価格情報は責任者のみ
など、情報ごとにアクセス範囲を分けることも有効です。
営業代行会社へ、
「誰がこの情報を見ることができますか?」
と確認してみましょう。
3.データの保存場所と利用端末を確認する
情報漏えいを防ぐには、
「情報をどう送るか」
だけでなく、
「どこに保存されるか」
を見る必要があります。
確認したいポイントとしては、
・利用する営業管理システム
・クラウドサービス
・端末管理
・パスワード管理
・データの持ち出しルール
などがあります。
情報管理について質問したときに、
「大丈夫です」
だけではなく、具体的な説明ができる会社か確認しましょう。
4.契約終了後のデータ削除方法を決める
営業代行契約が終わった後も、自社情報が残り続けている状態は避けたいところです。
契約時には、
・どのデータを返却するか
・どのデータを削除するか
・いつ削除するか
・バックアップデータはどうなるか
などを確認しておきましょう。
営業代行会社から提供された営業データについても、誰が所有するのかを確認しておくと安心です。
5.再委託の有無を確認する
営業代行会社のホームページや担当者だけを見て契約するのではなく、
実際に誰が営業活動を行うのか
まで確認しましょう。
「御社の社員が担当しますか?」
「外部スタッフへ再委託することはありますか?」
「再委託する場合、情報管理はどのように行いますか?」
といった質問が有効です。
「秘密保持契約があります」だけで安心しない
営業代行会社から、
「秘密保持契約を締結するので問題ありません」
と言われると安心するかもしれません。
しかし、情報漏えいを防ぐためには契約書だけでは不十分です。
例えば、
契約書では秘密保持を約束している
しかし、
営業データを個人パソコンへ保存している
という状態では、実際の管理体制に問題が残ります。
重要なのは、
ルールと運用の両方を見ること
です。
情報管理について質問しても答えが曖昧な会社には注意
営業代行会社を選ぶ際、
「顧客データはどこで管理していますか?」
と聞いたときに、
「しっかり管理しています」
「問題ありません」
という回答だけなら、もう少し具体的に聞いてみましょう。
例えば、
「誰がアクセスできますか?」
「個人端末へ保存できますか?」
「契約終了後は削除されますか?」
「再委託先も閲覧できますか?」
などです。
信頼できる会社であれば、
どのようなルールで情報を管理しているのかを具体的に説明できること
が一つの安心材料になります。
営業代行会社に確認したい7つの質問
営業代行で情報漏えいを防ぐため、契約前に次の質問をしてみましょう。
1.秘密保持に関する契約はありますか?
2.誰が顧客情報へアクセスできますか?
3.営業データはどこに保存しますか?
4.個人端末への保存は可能ですか?
5.再委託する可能性はありますか?
6.担当者が退職した場合、アクセス権はどうなりますか?
7.契約終了後のデータはどのように削除しますか?
重要なのは、
「安全ですか?」と聞くことではありません。
「どのように安全を確保していますか?」
と具体的な運用方法を確認することです。
顧客リストを最初から全部渡す必要はない
営業代行を始める際、
自社が持っている顧客情報をすべて渡す必要があるとは限りません。
例えば新規開拓を目的とするなら、
既存顧客情報は除外リストだけ共有する
営業対象企業だけ共有する
といった方法も考えられます。
情報漏えい対策の基本は、
「渡した情報を守ってもらう」だけでなく、「そもそも不要な情報を渡さない」
ことです。
これはシンプルですが非常に重要な考え方です。
営業代行を利用するときの「情報共有ルール」を決める
営業代行会社と契約したら、情報共有方法を決めておきましょう。
例えば、
顧客情報は指定システムのみ
メール添付は禁止
個人端末への保存は禁止
資料共有は指定クラウドのみ
などです。
情報共有ルールを最初に決めておけば、
「担当者ごとにやり方が違う」
という状況を防ぎやすくなります。
営業代行会社から自社へ戻る情報も管理する
情報漏えい対策では、
自社 → 営業代行会社
だけではなく、
営業代行会社 → 自社
の情報管理も重要です。
営業代行会社から、
担当者名
電話番号
メールアドレス
商談内容
などの情報が返ってきます。
これらも重要な情報です。
そのため、自社側でも、
営業担当者なら誰でもダウンロード可能
社内共有フォルダへ無制限に保存
という状態にしないよう注意が必要です。
営業代行会社だけでなく、自社側の情報管理もセットで見直すこと
が大切です。
情報漏えいが起きた場合の対応方法も確認する
万全な管理をしていても、事故の可能性を完全にゼロにすることは難しいものです。
そのため、
「もし情報漏えいが起きたら、どう対応するのか」
も確認しておきましょう。
例えば、
・誰から報告されるのか
・どの程度の時間で連絡されるのか
・原因調査は誰が行うのか
・再発防止策はどうするのか
などです。
事故を絶対に起こさないという説明だけでなく、
万一の際の対応体制まで用意されているか
を見ることが重要です。
営業代行会社は「営業力」だけで選ばない
営業代行を比較すると、
「アポイント獲得数」
「営業実績」
「料金」
に目が行きがちです。
しかし、営業代行会社は自社の顧客接点を任せる会社でもあります。
そのため、
営業力
だけでなく、
情報管理・顧客対応・報告体制
まで含めて評価する必要があります。
たくさんアポイントを取れても、顧客情報を安心して預けられない会社では長期的なパートナーとは言いにくいでしょう。
「情報を守る会社」は営業の質にも表れる
情報管理を丁寧に行う会社は、
顧客への営業活動についても、
誰に連絡したのか
どんな会話をしたのか
再連絡してよいのか
どの情報を記録するのか
といった管理が比較的整理されていることが期待できます。
つまり、
情報管理体制を見ることは、営業代行会社の運営品質を見ることにもつながります。
価格だけで判断せず、管理体制まで確認してから契約することをおすすめします。
まとめ|営業代行の情報漏えいは「契約前の確認」でリスクを減らす
営業代行では、
顧客名簿
担当者情報
営業履歴
料金
提案資料
営業ノウハウ
など、多くの重要情報を扱います。
そのため、営業代行会社を選ぶ際には、
・秘密保持契約
・アクセス権限
・利用端末
・データ保存場所
・再委託
・契約終了後のデータ削除
・万一の事故対応
を確認することが重要です。
そして何より大切なのは、
情報管理について説明が曖昧な会社には、重要な顧客情報を安易に渡さないこと。
営業代行を単なる「アポイントを増やす外注先」と考えるのではなく、
自社の信用や顧客との関係まで共有する営業パートナー
として選ぶ必要があります。
営業力だけでなく、情報を安心して任せられる会社かどうかまで確認することが、営業代行で後悔しないための重要なポイントです。
「営業代行を使いたいけれど情報管理が心配」という企業様へ
「顧客リストを外部に渡すのが不安」
「営業代行を利用したいが、自社の情報を守れるか心配」
「新規開拓はしたいけれど、会社の信用を落としたくない」
という企業様は、料金やアポイント数だけで営業代行会社を判断しないことが大切です。
まずは、
・どの情報を共有する必要があるのか
・誰がその情報を見るのか
・どこで管理するのか
・契約終了後にどうするのか
を整理してみてください。
営業代行を検討しているものの、自社に合う方法が分からない場合は、現在の営業課題や情報管理上の不安も含めて整理したうえで、営業方法・費用・進め方を検討しましょう。
営業成果だけでなく、自社の信用まで守れる営業体制をつくることが大切です。